向井拓海とかWILD WIND GIRLについてのおはなしのくに

向井拓海についての雑感や考察と月刊少年チャンピオン連載中の「WILD WIND GIRL」について感想とか書き捨てる場所

唯ちゃん回とか今回の話的なフォーマットはコミカライズにとても相性がいいという話 あとrelationsが凄いって話をしようと思ったらまた文句ばっかりになった

原作がある、特にアイドルマスターのように特定のキャラ毎に熱心な固定ファンがついている作品ではコミカライズに限らずメディアミックスの際には気を揉むだろうなぁという点が幾つかあるように思えますが、中でも「キャラの扱い方」というのは大きなポイントかと思います。所謂「飛影はそんなこと言わない」的な問題に加えて、悪者ポジションには原作キャラは置けないし、作中で壁にぶつかる事さえアイドルの価値を毀損している等と罵られる事もしばしばです。

ですから嫌味なライバルキャラなんて中々出せません。あの黒井社長でさえアニマスで色々言われたわけですし(ただ、これに関してはそもそも媒体毎に黒井社長の性格はブレがあるので致し方ないかもと個人的に思う)。

 

その点で言えば名前だけ出ていたけどほぼ設定のなかった魔王エンジェルを見事な悪役に仕上げた上、そうなるに至ったバックグラウンドもきちっと用意したrelationsは巧みでした。プロデューサーって、デレアニで一瞬履歴書が出ただけの羽田リサちゃんみたいな娘でさえ色々キャラを肉付けするのが好き、言い換えてみれば(その時点では)モブキャラでもしっかり気にかけてくれている人達が多いということですから、魔王エンジェルをしっかりとキャラクターとして立たせた事自体が原作ファンへの一種のサービスになった上に、一応オリキャラではないという言い訳も立ちます。悪役ポジを名前だけ出ているユニットに押し付けたとも言えますけど、これが一番角も立たず、ストーリーとしても面白くなる最適解に近いのではないでしょうか。

 

色々言いたくなってきちゃったんでこの際言いますけど、せっかくオリキャラを大手を振って出せたんだから美城常務もこの路線にしたら良かったんじゃないかなぁと。

デレアニは童話のシンデレラをだいぶ意識してますし、武内Pを魔法使い、常務を継母として意識していた部分は絶対にあるはずです。その上二人の路線は対立していた。だったらアイドルアルティメイト的なものを出してCPとクローネどちらが勝つかで決めようじゃないかみたいな感じにすれば「常務擁するクローネ」対「武内P擁するNGs(CP)」的な展開にしておけば例えクローネが最後にNGsに負けたとて、それは常務と武内Pの力量の差になる訳だから至極納得の行く上に綺麗な展開になるんじゃないかなぁと…

いやまぁ常務の美学みたいな事もよくわかりますから不満という訳ではないですし、そういうのもアリだったかもなぁ位に考えて頂ければと…

 

さて本題に戻りますけどWWG第4話では拓海が初レッスンをする訳ですが、照れや緊張等もあって声は出ないしダンスはギクシャクするしでトレーナーにしこたま怒られてしまいます。当然です、拓海はアイドルになったばかりで練習などした事がないんですから。しかしながら、特攻隊長だったプライドもあって拓海は自分に出来ないはずはないと意固地になってしまい、益々上手くいきません。

その様子を見ていた大槻唯ちゃんがおもむろに、しかし圧倒的なダンスパフォーマンス(1Pぶち抜き!見たい人は2巻買ってね)を「先輩として」見せてくれます。その上で貰った「ダンスのコツは楽しむこと」というアドバイスで拓海は悟ります。自分は特攻隊長だったけど、アイドルとしてはまだペーペーなんだと。そう思い至ったおかげで、特攻隊長として恥ずかしい…といったような照れを捨て、見事ダンスの習得を成功させたのでした…

この回のように拓海の成長と他アイドルの魅力の紹介が一緒になっているのが最新回、つまり17話です。代理で頼まれた仕事だからと上手く馴染めず、仕事に対する気持ちがなおざりになってしまっていた拓海に対して、速水奏ちゃんがアイドルとしての心構えを半ば挑発的に説いてくれます。ここの言い回しと直前の大人なパフォーマンスの自然なことと言ったら。正に奏ちゃんのエッセンスを捉えていました。やはりこの「先輩アイドルと拓海」というフォーマットは一石二鳥です。何よりこの形だと先述した、扱いに気を使わなくてはいけないポジションのキャラクターを出さなくて済みます。それも含めると一石三鳥ではないでしょうか。

 

ただ、迫先生程のお方であればそういう形に拘ってもいないだろうしそもそも最初に書いたような心配もいらないと確信しています。 

WWGは、拓海がトップアイドルとして成長する物語です。今の所はまだ駆け出しで、他のアイドル達と同じステージには立てていない訳だからライバルに関しての心配はしなくても良いというのも勿論あるでしょうが、こんな風に原作のキャラクターの良さを見事に再現し使いこなしてくれている迫先生であれば、そもそもそんなものは杞憂ではないか、安心して良いのではないでしょうか。

なんだか色々と話がそれてしまったのでここら辺で終わります。乱文すぎて申し訳ない…